山の名前を知っている。
前回のブログに、とほん栞展で「大和の山々しおり」というものを出したと書きましたが、
購入した方の反応を聞くと、奈良のみなさん、奈良好きな皆さんは山の名前を知っているんだなあ。としみじみ思いました。
私は実家にしても、両親の地元にしても、大きな山以外の山の名前を全然知りません。身近な遊び場になるような近所の山の通称の名前は知っていても、正式名称は違っていることもあります。あの山の名前は?と聞いても親も知らなかったりします。
でも奈良の山の名前って知られてるんですよ。なぜかといえば古事記や日本書紀や万葉集に載っているから。しかも載っているだけでなしに、昔から住んできた人が呼んでいた山の名前を、子孫に伝えてきているのです。百人一首などで教科書で触れることがある、天香具山や手向山が過去の呼び名で今はどの山のことをさすのかわからないのではなくて、現在もちゃんと呼び続けられているんですよ。
三輪山の滑らかな美しさと神婚伝説。神武天皇が越えられなかった生駒山(私は自分の姓と同じというだけでやはり一番最初認識したのが生駒山でした)。阿倍仲麻呂が唐から思いを馳せた三笠山。万葉集に名だたる大和三山。大津皇子が眠る二上山。山焼きをする若草山。一言主の神がおわす葛城山などなど。役行者の伝説とともにある吉野山中の山々。山エピソードにことかかないのです。神々の物語や、人々が生きた話。死んだ話。そういうものと山がずっと一緒にあったんですよね。
私は海が好きで、小さい頃から海がないところでなんて生きていけないと思ってました。就職してからも(会社が一度移転してからは)一駅いけば海が見えるところでした。(東京湾で美しくはないですが)海は私の気が休まる場所でした。
そんな私がもう5年も海のないところに住んでいられるのは、人々が長い歴史をつむぎ、思いをかけていった山々に、守られているような気がするからでしょうか。
山々に過去の人がかけてきた思いを知り、気持ちを寄せることが出来るというのはなかなかないことですね。
奈良の山、大好きです。
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人々が長い歴史をつむいでいることの実感しかないな、と思う。奈良に住んでからは。
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栞展は今度の日曜日、3/4で終了です!本当にありがとうございました。今後フルコト、ことのまあかりでも販売すると思います。いつになるかはまだ未定です~