奈良旅×生活

奈良旅のこと、奈良生活のこと。

奈良が氷のまちになっている。

私が3年くらい寝ていて、今年起きて夏の奈良をみたら、とにかくびっくりすると思う。

いつのまにこんなにかき氷が流行ったの!?というくらい、今年の夏の奈良はかき氷でした。

元々奈良でも、おちゃのこさんやぷちまるさんや樫舎さんなどなど、かき氷が美味しいお店はたくさんありました。氷をやっているお店は、暑い日は長蛇の列ができることも知っていました。でも町ぐるみでこんなにたくさんのお店が氷を出し始めて、こんなにたくさんの人が食べに来ることはなかったのではないでしょうか。

近鉄奈良駅周辺は氷室神社のおひざもと。というのがいちばん大きいと思っています。氷室神社さんには、日本書紀では仁徳天皇の皇子、額田大中彦皇子が氷室のことを教えてもらったという闘鶏稲置大山主命を祭ってます。そして都が平城に遷ったときにすぐに氷室も春日のふもとにうつりました。

寒い冬に作った氷を暑い夏に味わう。奈良時代には4月から9月末まで平城宮に献上されていたところです。

そして今年は5月に開催された、ひむろしらゆき祭。全国のかき氷やさんが集まるお祭りの舞台も氷室神社です。さらにほうせき箱さんをはじめ、たくさんのお店のかき氷がメディアに登場したことが大きいと思っています。

さらに今年の夏の奈良は暑かった。本当に暑かった。都内の友人が「暑いよ~」と言っていたので覚悟して東京にいったのにぜんぜん涼しいよ!と思ったくらいに奈良は暑かった。体を氷で冷やしたい!と思う人たちが、どれほど多かったかということもあると思います。

本当にたくさんの人が氷を求めて町をさまよったり列に並ぶ姿をみましたし、ことのまあかりにも多くの方に来ていただきました。

 

ことのまあかりをはじめたときにかき氷をやりませんか?と言われていたのですが、最初はぴんときていなかったのです。でも前述したとおり、氷室神社さんがあるということ、

そして氷といえば長屋王・・・。というイメージから、古代にちなんだ人物などの名前をつけ、それにまつわるメニューを出したらうちでやる意味があるな、と思ったのです。

たとえば長屋王邸から牛を飼っていたことから、練乳を使った氷を。遣唐使が唐から持ってきた、当時は薬として高貴な人しか口にできなかったはちみつを使った練乳とはちみつの「長屋王」(そして何より長屋王は市で自分の氷室の氷を販売していたのです!)や、元明天皇から「橘」の名前をもらった県犬養橘三千代には柑橘系のシロップの氷「橘三千代」などを考えました。

今年は吉野の葛餅を使った「大海人」(大海人皇子壬申の乱の前出家して吉野にいたことが由来です)がとにかく一番人気でした。こちらの葛餅は「よしのや」さんの葛餅を使用しています。

それ以外にも産地の名前が古代の人名の名前だったらつけたりしています。葛城産ブルーベリーとヨーグルトの「葛城皇子」や、カラフルなゼリーを管玉にみたてて発掘してもらう「管玉勾玉」、推古天皇の時代、薬狩が行われていた高取町のヤマトトウキのシロップを使用した「炊屋姫」(←推古天皇の名前です)などなど。終了したシロップを含めて10種類ほど作りました。

古代がすきな方はもちろん、知らない方にもメニューをみて、こういう意味があるのかと知ってもらえたらなと思っています。

さらにその人物に関するゆかりの場所にいってもらたり旅に発展するようなきっかけになるといいなと思って毎日氷をかいております。

 

ことのまあかりの氷は9月末までの予定です(ご要望が多いので10月以降もちょっと検討しておりますが、まだ未定です)

 

と、最後は自分の店のことになってしまいましたが

お店ごとにいろいろなこだわりがあって面白いし美味しいです。

まだまだいけてない氷やさんも多いのですが、9月になったら少しはめぐれるかな。氷のかみさまがいる、奈良の氷をいろいろ味わってみてくださいね。

 

 

これは「ひむろしらゆき祭」の日に出店はしてないのですが、この2日のみ限定で出した「いちびこあんこ白玉勾玉」。奈良産の苺と勾玉の形をした白玉を乗せました。

(現在は出していませんが、せっかくなのでブログでだけでも)f:id:asamiikoma:20160829140016j:plain

 

こちらは田原ナチュラルファームさんの緑茶を使った「太安万侶」。

濃い目のお茶の氷です。田原は太安万侶のお墓がある場所なので、名づけました。

(こちらはまだまだお出しています)

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