奈良旅×生活

奈良旅のこと、奈良生活のこと。

きたまちweekのイベント、参加者募集中です!

基本的にはこのブログは今まで私が旅をしてきた奈良のことについてエッセイを書いておりますが、ちょっと宣伝させていただきます~

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5月30日~6月4日の間、奈良きたまち一帯「きたまちweek」を開催します!同時期にお店ごとに割引・特典やイベントなどを開催し、きたまちをたくさんの方にめぐってもらおうという期間で、さくらバーガーの山戸さんが実行委員長をつとめてきます。ほかにも編集者の倉橋みどりさんや奈良倶楽部の谷さんや、私も実行委員に参加しております。

今回は実行委員会のイベントとして「きたまちの時代別まち歩き」と「きたまちをめぐるおみくじ」を予定しています。

おみくじのほうは、参加店さんでお買い物や飲食をしていただいた方に1枚引いてもらいます。きたまちの名所旧跡の情報や、知られざるマニアックな穴場情報、そして、そのお店の「あたり」も入っていますので、ぜひご参加くださいね!

kitamachiweek.com

-きたまち時代別まち歩きとは?

きたまちの時代別まちあるきは、天平時代、戦国時代、近現代と分けてきたまちをめぐるツアーを致します。案内役はその時代のことに精通した方々。天平時代と近現代はその時代の衣装を着用して参加することも可能です。(※必須ではありません。また天気によって変更があります)

平日なこともあってまだちょっと余裕がありますので、まだまだ募集しています。天平時代は正倉院聖武天皇陵や転害門などをめぐります。奈良にいると古代の話が多いですが、戦国時代のきたまちもすごい!!と教えてもらえるのが水曜日の戦国時代コース。こちらは座学もありますので、よかったら両方ご参加くださいね!近現代コースは衣装を着用する方はハイカラさんになれますよ!(天気により変更もあります)倉橋みどりさんにきたまちのレトロな建築物を教えてもらえるチャンス!

ぜひお申し込みください!

kitamachiweek.com

そして、フルコトでは5月30日から古事記日本書紀に関するグッズなどを教化販売する「ききてん!」を開催します~!

きたまちweek中にはフルコトの作家さんなどのWSをほかの場所で開催します。

www.furukoto.org

正倉院文様を染める!ワークショップ
●カレースパイスづくりワークショップ
バスソルトづくりワークショップ
●好きな香りを自分で作るワークショップ(お線香)
●好きな香りを自分で作るワークショップ(塗香)

などを開催予定です。定員が迫っているものもありますので、お早めにお申し込みくださいね!
一部余裕があるものは当日受付もしますが、前日くらいにならないと告知できませんのでよろしくお願いします~。

ほかではなかなかできない体験ができると思いますので、ぜひぜひご参加くださいね!
よろしくおねがいしますー!

 

 

 

2005年別冊SAVVY「お気に入りをご案内 奈良へようこそ」のこと

旅をしはじめた当時、奈良のガイドブックといえばちょっと硬めのものか、るるぶなど全国展開しているものばかりでしたが、今はいろんなものが出ていて楽しいですね。

その中でも近年の奈良のガイド本としてターニングポイントだったなと思うのが、2005年発売の別冊SAVVY「お気に入りをご案内 奈良へようこそ」という本だったと思います。

 今SAVVYは都内の書店などでも買えますが、私はこの当時、ネットがなかったら知らなかったと思います。実際近所の書店では購入できず、amazonで購入をした記憶があります。

私はとくにこの本が出るまでの5年間は、社寺参拝がメインでした。食べ物や買い物など二の次で、いかに効率よく社寺参拝できるかということしか考えていなかったのですが、この本で奈良の色々なお店のこと、お店を営業している人のこと、全くしらなかった素敵な奈良のお土産のことなど、はじめて知ったことも多かったです。そして掲載されている写真が可愛かったのもとても大きかったです。こんなふうに見せられるのか!と思う写真がたくさんありました。

思い返してみるとこの本がなかったら知らなかった場所、出会えなかった人というのがたくさん居たなあと思います。今読み返しても楽しい本です。

 

余談ですがライターとして参加していた砂川みほ子と5年後にツイッターで知り合い、その翌年に一緒に店をはじめてから丸5年が経つのも、不思議な縁だなーとしみじみ思います。

歩きたくなる奈良の本 (えるまがMOOK)

歩きたくなる奈良の本 (えるまがMOOK)

 

ちなみに上記の2013年のエルマガさんの奈良本には歳時記の監修として参加させていただきました。嬉しかったです。

東京から思いを馳せる春日/住んで感じた春日

ちょっと東京に行ってきました。

JR東海さんのキャンペーンは今、春日大社です。東京駅では春日大社のポスターがあちこちに掲示してありました。当たり前のように朱色をメインに使っているポスターですが、春日大社のイメージの色ってやはりこの色なのですね。

GWごろになると春日大社には藤棚の藤が見事に咲き誇りますね。何度かこの期間に参拝に訪れていますが、本当に見事です。この藤が象徴するように、春日大社藤原氏氏神で、長い年月様々な祭祀を執り行ってきました。

奈良に引っ越してきたときに一番最初に意識したのが、「春日という土地の重要性」ということでした。旅をしながら何度も何度もお参りをしてきましたが、ずっと藤原氏氏神であるという意識で参拝してきていました。ですが、春日大社の場所にもともとおわしたのは、境内に摂社として祭られている榎本神社の神様でした。今はご祭神猿田彦大神とされていますが、もとは巨勢姫明神という神様が祭られていたといわれています。巨勢姫明神は日本書紀・神武紀に名前だけが登場する「巨勢祝」と関係あるのかもしれないという説があります。この土地は768年に鹿島神宮から武甕槌命が鎮座するまで、春日氏の本拠地であったようです。この知識は移住する前にももちろん知っていたことなのですが、引っ越して日々生活していると、「768年以前の春日」を意識するようになってきました。

平城に遷都する際にこの土地にするのは「四神相応の地」だからだと元明天皇が詔しましたが、四神のうちの東、青龍がいるのはこの周辺を含めた土地のことでしょう。遷都をする前に元明天皇が平城の土地に御幸していますが、この春日の地でももともとおわした神様に、土地をお借りするお願いをしていたのではないだろうかと勝手にいろいろと妄想します。

 

そんなことを考えながら、新幹線に乗り込み、今回のキャンペーンでの特別企画のお弁当をいただきました。東京、品川、新横浜、名古屋、京都、新大阪駅で販売しているようです。

12月ごろまではあるようなので、JR東海さん管轄の電車に乗るときはぜひ。奈良茶飯やのっぺいの具、大和肉鶏をつかったしんじょや、藤の花をイメージしたごま豆腐が入っていて、奈良気分を盛り上げるお弁当です。とても美味しかったです!春日大社の巫女さんの特徴的な襟元を再現した箸袋には萌えました!(笑)

https://www.jr-cp.co.jp/news/detail/408

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 そうそう、それとJR東海さんでは「奈良ふしぎ旅図鑑」という番組がはじまったそうです!

奈良ふしぎ旅図鑑

https://www.facebook.com/nara.cjr/posts/853962791398284

JR東海さんの美しい映像とタレントさんの奈良めぐりを毎週テレビで楽しめるのは嬉しいですね。これからも楽しみです!

うつわと出会って、旅の買い物観が変った話。

フルコトの一階の器人器人さん。ご縁があって1階、2階でお店をシェアするようになってから今度の6月でもう5年になります。早いなあ。

器人器人さんがセレクトする器はおちついてしっとりとしたものから可愛いものまでいろいろあります。店番でフルコトにいくときには何を盛りたいか。と妄想をめぐらせることが好きです(笑)。あとこの器は誰かにあげたい!と思うものも多くて、何度かプレゼントにも買わせていただいています。ことのまあかりでホットケーキやバームクーヘン用に使っている器も器人器人さんで購入したものです。

先日入荷していたお茶碗が素敵で、悩んでいるうちに売り切れてしまいました。そうだよね・・・。自分でもお店番中に同じようにお客様が買おうかどうか悩んで、後から買いに来られたときはすでに売り切れていて、ごめんなさい~。としたことが何度もあるのになあ。と後悔しました。(一度見たものがずっとその店にあるわけではなく、めぐりりあいだと思いますので、皆さん「これは」と思ったものはすぐ買ったほうがいいですよ。私が言うなって話ですが(笑))

お茶碗は割れたら新調するものだ、と思っていたのですが、その考えは捨てて、気に入ったものがあったらすぐに買って、今後は気分によって使い分けていこうと思います・・・。

 

器人器人さんで扱っていた、うつわ、うたたねさんの器。

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いま自宅で使ってるお茶碗はかなり昔に高畑のあんず舎さんで買ったもの。あの時はまだ東京在住で、会社勤めをしてました。お茶碗のような生活用品を旅先で買ってもいいのだろうか?移動距離長いし、割れたら・・・。などなど、決意するまでお店の中で延々と考えたりもしましたが、器とは出会いですし、量産しているものではないので、同じものにはめぐりあえない。と思って買いました。

結果的に買えてとても良かったです。使っているときに、奈良の思い出も一緒によみがえってくるので、日常と奈良がまざったような入り込んできたような気持になりました。これ以前に酒器を買ったことはあったのですが、毎日使うものではなく普段づかいのものというのが、私にとってははじめてだったので、意識が大きく変わりました。
それからは旅先だからとか考えずに気に入ったものがあれば普段使いするものでも奈良で買い物するようになりました。
むしろ積極的に普段使いのバッグや下着、衣料品、靴下などなどの生活用品を奈良で買って東京に帰ることが増えました。最初から旅行に持って行かないで奈良で新調する、ということが最終的には多くなりました。

奈良好きな旅人の中には、奈良にお金を落としたいと生活用品を奈良でわざわざ買っていく人たちもいます(わたしはそういう意識ではなかったのですが)。帰りに荷物で重くなっても奈良で買う。というか、近所のスーパーにいくのと同じ感じで、帰り際に買い物をしていく。それが楽しいのだそうです。洗剤とかまで買っていく話を聞いて驚きましたが、同じものを買うなら奈良にお金を落としたいのだそう。

こういうふうに考えている方たちが、より奈良を楽しんでくれるようなことをもっともっと考えて、一緒に奈良を楽しんでいけたらいいなあと思っています。

佐保姫が降りてきた

佐保山に宿る女神様のことを佐保姫と呼び、佐保山からおりてくる春霞は佐保姫が織り成す衣だと伝えられてきました。

平安時代には佐保姫の名前は春の代名詞として様々な歌に詠まれてきました。

奈良から遠い平安京で、奈良の地に訪れた春を想像してきた人たちがいます。そして千年たった今も、佐保姫が訪れた「春」の空気が奈良にはあって、それを肌が感じるのです。

佐保姫が降りてくれば、桜の花が咲く。

佐保川に咲く桜がそろそろ満開になりそうです。昼間の青々とした空の下の桜も、曇天の空に薄墨のようにうつる桜も、本当に本当に美しく、たくさんの人を魅了します。この桜の花を愛でるために、遠方から訪れる人も少なくないです。

昼間の桜もいいのですが、薄暗い早朝か、深夜の人の気配がない夜の桜も良いのです。ライトアップされてない桜は艶かしい色気が漂っていて、佐保姫の普段みられない表情をみてしまったような気分にさせられます。暗いので写真も撮れないから、余計にそんなことを思ってしまうのかもしれません。

 

季節を女神にたとえることが出来て、その女神がいるかもしれないと感じることも

いにしえから思いを馳せてきたひとたちがいた奈良ならではのこと。

桜が散るまでいろいろな空想をめぐらせて、花を愛でられる季節を楽しみたいです。

 

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「時空を越えて奈良を旅する」に登壇させていただきました。

3月27日に興福寺会館さんで奈良ひとまち大学「時空を越えて奈良を旅する」に登壇させていただきました。

興福寺の辻さん、奈良文化財研究所の馬場さん、司会に奈良.FMの中川さんというメンバーの中、とても緊張しておりましたが、なんとか自分が思っていることなどを伝えられたかと思います。貴重な機会をいただき、ひとまち大学の皆さん、本当にありがとうございました。ひとまち大学に登壇するのは今回で三度目ですが、毎回、話をすることで自分の中のことが整理できます。

辻さんと馬場さんの中金堂についてのお話が楽しくて興味深く、私も聞き入ってしまってました(笑)

 

実はフルコトをはじめてから奈良に通う頻度が高くなったこともあって、2011年から2年ほど五重塔の真下にあるアパートを借りていました。借りるときにも「奈良が好きで県外から来る人が借りるアパート」だと不動産屋さんが言っていましたが、アパートの出入り口の真上が五重塔なのです。そして家を出たらすぐ五十二階段、猿沢池、鹿。という環境でした。入るときも出るときもいつも見上げていましたし、手を合わせていました。22時ごろまでのライトアップがどれだけ心強かったか。

境内の外とはいえ限りなく近いところで日々寝泊りできるというのは、かなりテンションがあがりました。朝、目が覚めたらすぐに五重塔、なのです。境内を通るときには毎回お堂や塔を拝めたり、ちょっと時間があれば参拝できたりと、この部屋を借りていた2年間は相当興福寺さんにお世話になりました。今もことのまあかりからは本当にすぐの場所にあるので、何かあれば参拝にいっています。手を合わせられる対象が身近にあるということは、幸せなことだと思います。

なので、興福寺さんでこうしてお話させていただくことになるとは思ってもみず、不思議な感じでした。本当にありがとうございました。

 

トーク中でも2009年の阿修羅展の話題が出ましたが、わたしもその時のことを思い出しました。ここにいる人たち仏像に興味があるなら全員奈良に来たらいいのにー!!とずーっと心の中で思っていました。

実際、阿修羅展ふくむ、奈良のお寺の展覧会がきっかけで奈良に来た方たちもたくさんいるのですが、東京の展覧会に来るのを待ってる人もとても多いですよね。現地に行くのはお金がかかるんです。が、こういう展覧会に来るということは興味があるということなわけだし、博物館だけで納得するのではなくて、奈良の空気を体感してもらえたらいいのにな、と心底思って行列をみていました。

関東の人たちは京都や奈良に対して、西の人たちとはまた違う目線でみていますが、修学旅行の思い出と、JR東海ツアーズさんの美しいCMと、こういった展覧会の際の来場者(待ち時間)の情報があるから、というのもあるのかなあと思ってます。

私は奈良が好きな人たちに奈良にきて楽しんでもらいたい、一緒に楽しみたい、そして奈良楽しいということを常に言っていきたいというのがあるんですが、奈良に興味を持ちそうな、「奈良っぽい感じ」が好きそうな方たちには積極的に奈良のよさをすすめて、奈良に来てほしいなと思っているので、そういう方たちににめぐりあえる可能性が高いひとつの要素が東京での展覧会なのかなと思います。そういう展覧会などで「奈良に行く、行こう!!」と思わせるようなきっかけが出来るといいな、といつも思っています。

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井上内親王生誕1300年祭

昨日、五條の御霊神社めぐりをしてまいりました。

聖武天皇の長女で、斎宮をつとめ、光仁天皇の妃であった井上内親王という女性がかねてからとても気になっていました。

井上内親王の死後から天変地異や悪疫が流行し、彼女のたたりだと恐れられたことから御霊として祭られました。井上内親王を祀る御霊神社は、御陵のある五條に数多くあります。(五條の地名が御霊からきた説もありますね)

いくつかの御霊神社には以前から参拝したことがあったのですが、本宮である霊安寺町の御霊神社さんには参拝したことがなく今回はじめて行きました。

鳥居の外から中をみたら、拝殿のところに

井上内親王生誕1300年祭」という幕がかかっておりました。

来年平成29年の10月21日、22日とのこと。

井上内親王といえば畏怖の対象。亡くなってからずっと怨霊として扱われてきた人が「生まれて」から何年の年という祭をされる!ということは、凄いことではないでしょうか。井上内親王が生まれたということのお祭。そう考えていたらなんだか泣きそうになってしまいました。また「生誕祭」の響きが祝祭的なムードを感じるということもあって、内親王が生まれ、存在していたことを、祝福するようなかんじに思えてしまいました。(実際のお祭はそういうものではないかもしれませんが)

 

頂いてきた御霊神社縁起をみると、この土地の伝説がいろいろあって

光仁天皇の名前である「白壁」は塗らない、とか藤原百川の讒言によって冤罪を蒙ったので「桃は育ったない」とか、井上内親王寄りなんですよね。大切に祭られてきたのだなと感じます。

五條の方々に井上内親王のことを色々と聞いてみたいです。

 

ちなみに昨日は早良親王好きな方と一緒だったので、早良親王も祭られている神社をメインに回りました。

栄山寺(御霊神社(小島))→井上内親王陵→他戸親王墓→御霊神社 本宮(霊安寺)→恵比須神社御霊神社お旅所)→ 御霊神社(中之)→御霊神社(岡)→宇智神社(安生寺)→ 御霊神社(西阿田)→御霊神社(牧)

というかんじで参拝してきました。まだ他にもたくさんありますし、京都の御霊神社系にもお参りして来たいです。

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